Meta:Shiren 2 interview with Famitsu

MDFW - The Mystery Dungeon Tree of Information.
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This Q&A was posted to the website famitsu.com by 永田泰大 on an unknown date.[1][2][3][4][5] The earliest known archive is from September 30, 2000.[6]

Questions and Answers

Shiren 2 Famitsu Interview banner.gif

チュンソフトさんに取材したおり、『不思議のダンジョン』シリーズでディレクターを務める長畑成一郎さんをつかまえました。待望の『風来のシレン2 鬼襲来! シレン城!』も、そろそろマスターアップが見えてきているはず。例によって突然始めるインタビュー。制作現場の生の声を全3回に分けて独占スクープです。全国のシレンジャー、必読。

インタビュー&構成:永田泰大
Shiren 2 Famitsu Interview preview 1.gif

長畑 成一郎
チュンソフト企画室室長。
『不思議のダンジョン』シリーズディレクター。長畑 成一郎

第1回

1000回遊べるどころじゃないね

永田: デバッグやテストが始まったってことは、最終的な開発段階が終わった感じですか。

長畑: うん。もうゲーム的には遊べるんで。


永田: 8割くらいは終わったと。

長畑: うん。データ的には8割ぐらいは終わってるかな。まあ、でも、何が起こるかわからないから(笑)。ほんとに。油断ができないっていうか。いままで積み上げてきたものが、もうすべてゼロになる可能性がまだあるという(笑)。


永田: でも『シレン』の場合、それが新たなゲーム性を生むかもしれないっていうところが特殊なところで。

長畑: そうそうそう(笑)。そういう予想外なことが結果的におもしろさにつながれば、もちろん我々もそのまま活かすんですよ。こっちのほうが幸か不幸かおもしろかったみたいなっていうのも必ずあるんで。でも、やっぱりセーブデータが消えてしまうとかそういうのは怖いからね。ないとは思ってはいるんだけど。


永田: 『シレン』ファンは、やり倒すからね。何をやるかわからない。

長畑: そうそう(笑)。でもそういう大きな不具合さえ出なければ、あとはもう、みんなの意見を吸い上げながら調整していく、と。


永田: なるほどね。ええと、気になる発売日ですが、9月27日ですよね。発売日は延びない?

長畑: はい(笑)。決定なんで、そこはちょっと遅れさせられない。


永田: よっぽどのことがなければ9月に。

長畑: まあね。


永田: 基本的には――。

長畑: 延びないから。ホントあとはもう不具合しだい。今回、プログラマーの数がかなり多いのよ。多いと作業分担的に、あがってくんのは早いんだけど、問題が起こった場合にどうしても「誰? 誰よっ?」っていうことになったりするから。ここがおかしいんだっていうのを突き止めるのに時間がかかっちゃう。


永田: プログラム作業の量って、いままでの『シレン』の中で最大?

長畑: ぜんぜん桁が違うかな。


永田: スーファミの『シレン』と比べると?

長畑: うーんと、やっぱ全体として数倍はある、と思うな。軽く。組んでるデータの量としても、『トルネコ2』のときの10倍ぐらいやってる感じあるんで(笑)。


永田: 10倍(笑)。

長畑: あれっすよ。あの、Excel(表計算ソフト)で管理してるアイテムのファイルがあるんだけど、そのファイルの大きさが、いま11メガ(笑)。


永田: Excelで11メガ(笑)。

長畑: で、このExcelのファイルって、もう速いマシンじゃないと動かないのね(笑)。


永田: 立ちあがんない?

長畑: 立ちあがんない。それにもうMOじゃないと持ち運びできない。だから、セキュリティーの面ではかなり貢献してる(笑)。


永田: 1000回遊べるどころじゃないね。

長畑: もう、ホント。


永田: 長畑さん個人の印象として、仕上がったゲームはどんな感じですか。もう全体は見えてきたんでしょう。

長畑: うん。これはいけそうだなあっていう確信に近づいたっていうニュアンスかな。最近、とくにね、いいなっていうか。私がわあわあ言いながらやってるんで(笑)。「なんだよこれ! だれがこんなとこに設定したんだよ!」、「いやあ私です」みたいな(笑)。


永田: 中村さん(チュンソフト社長)も言ってたもんなー。「このあいだテストプレイしてたらムカついて」とか。

長畑: いやあもう社長は半分ユーザーと化してて。あの人、仕様書が完全に取説になってるから。なんかわかんないところ見つけたらもう仕様書見て(笑)。


永田: なるほど。そうやって最後にユーザーに戻るのは大事だよね。

長畑: そうそうそう。だからまあ、あの、なんとなくプロジェクトもそろそろおわりかなあ、という感じになってきましたね。


永田: あの、世には出てないんですけど、僕は『シレン2』の最初の企画合宿を取材してるんですよね。ええと、修善寺で合宿してるみなさんのところにおじゃまして。あれが……いつですか?

長畑: 2年まえ。


永田: 2年まえ(笑)。

長畑: ちょうど2年まえの5月かなんかだよ。ああ、もう2年まえだよ~(笑)。


永田: みんな不精髭はやして、企画室でなんか一生懸命「合成は――」とかやってて。

長畑: そうそうそうそう。いや、でもあそこから、企画をみっちり2年間詰めてたんじゃなくって、やっぱりそのええと、グラフィックのほうとか――。


永田: 64というハードに対する開発環境を整えてた。

長畑: そうそうそう。そのあいだにもいろいろあったしね。『トルネコ2』も出したし。


永田: うん。

長畑: そういうのもあったんで、やっぱりけっこう時間かかった。だけどおもしろいっすよ今回は。うん。いいできかな。なんていうの、新しいなあ。


永田: 新しいおもしろさ?

長畑: もちろん、ゲームのシステムがシステムだし、やりこんだ人からみれば同じように感じるところもあると思う。だからそういう意味では、非常に共通する部分があるにしても、また別な発展型というか。少なくとも『トルネコ2』とは違う。


永田: ああ、なるほどね。

長畑: それは手応えとして、ある。


永田: なるほど。

長畑: たぶん、永田さんハマるよ(笑)。


永田: わかってる(笑)。

長畑: (笑)

References